全国交通事故遺族の会
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 臓器移植法改正、衆参両院で可決される


脳死・臓器移植法改正、日本の精神文化が崩壊。

遺族の会では、脳死・臓器移植法改正を何とか阻止しようと、今年の3月から全力で戦ってきました。

各種集会や国会でのロビー活動、政党での勉強会や国会の委員会での参考人としてなぜ我々が反対するかということを述べて来ました。残念ながら、私たち少数派の意見はついに届かず、6月18日の衆議院、さらには7月13日の参議院本会議において、積極推進案のA案が賛成多数で可決されてしまいました。

今後一年の準備期間をおいて、改正脳死臓器移植法は施行されます。わずかなドナーの増加を得るかわりに、有史以来培ってきた日本人の死生観など精神文化を崩壊させてしまいました。
交通事故などの不慮の事故で亡くなる家族は、「家族の承諾」という死の宣告をさせられ、二重の苦しみを味わうことになるいでしょう。

こうした被害を出来るだけ軽減するため、遺族の会では、臓器移植が暴走することのないよう今後とも法の監視を続けてまいります。
 

参議院厚生労働委員会で参考人として意見をのべる井手理事

参議院裁決後、記者会見する戸川副会長

 最新資料 1

 最新資料 2 両院における各議員の法案に対する賛否


 なぜ脳死・臓器移植法改正に反対なのか
日本における脳死者からの臓器提供は少なく、脳死・臓器移植法が制定された1997年10月から2009年3月まで、81人の脳死者から脳死後に臓器が摘出されたと記録されています。

一方移植手術を待つ待機者は、約12000人以上もいるとされており、国内での脳死者からの提供を待つのは不可能として、海外に渡航し移植を試みる患者がいます。これが渡航移植といわれ、アメリカ・ドイツ・オーストラリアなどで問題視されています。


また現行の臓器移植法では、15歳未満の脳死者からの臓器摘出が認められていないため、子供への臓器移植は事実上閉ざされています。大金を集めて渡航移植に旅立つ子供のニュースが、マスコミで報道されています。

さらに待機患者は、経済的後進国のアジアなどで行われている臓器売買に目をつけ、渡航による移植ツアーや、ドナーを招聘しての移植手術を受ける者まで出ています。これらを合計すると過去500人以上のも患者が、外国人からの臓器を移植されたことになります。


2008年5月、国際移植学会が「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」を発表し、外国人からの臓器提供を原則禁止とし、各国は自国民の移植ニーズに足る臓器を自給自足すべきであるとする意見をまとめました。

国連の世界保健機関(WHO)は、イスタンブール宣言を追認する形で、5月にもWHO世界大会で、同内容を採択する運びになっていました。


日本の臓器移植ネットワークや待機患者側、さらに一部の国会議員らは、こうした国際的な動向を受けて、国内でのドナーを増やすために、臓器移植法の早期改正を狙って活発な動きを始めました。

すなわち臓器移植法の改正に向けて動きだしたのです。現行の脳死・臓器移植法は、「(移植を前提にしてのみ)脳死を人の死とする」と、ドナーは「本人の意思確認」が必要という2つの柱で構築されています。

法改正推進派は、この大前提を撤廃し、「脳死を一律に人の死」としようとしています。また家族の同意があれば臓器提供できるとしているため、子供からの臓器摘出が可能になります。
 

TV取材を受ける井手政子理事

 遺族の会の主張

全国交通事故遺族の会は、「他人の死」を前提にした脳死臓器移植に反対しています。

交通事故の被害者は、脳死移植の最優良ドナーと目されています。なぜなら事故の直前まで健康体であったこと、そして脳以外の臓器が無傷で残りやすいからです。

しかし今でも、交通事故の被害者への救急救護が十分になされているとはいえません。移植を前提にした救急救護が始まれば、助かる命を見捨てることになります。
「移植よりも救護」を、これが私たちが最も拘る理由です。


遺族の会の仲間には、家族が臨床的に脳死と宣告された者が少なからずいます。
私たちがみた脳死といわれた家族は、温かい体と規則的な呼吸と鼓動があり、とても「死」とは思えませんでした。

脳死と判定されてから、心臓と呼吸が止まるまで、看取りの時間を得ることによって、私たちは家族との永遠の別れを受容できたのです。交通事故の遺族は、「脳死は人の死」とは絶対に容認しません。


国会議員室に改正反対を訴える会員

 資料 1(内部向け)

   ◆ 脳死移植法改正について会員向け案内 (2009年4月ニュースレター)

 資料 2(外部向け)

   ◆ 脳死移植法改正に反対する意見書 (2009/05/21)
   ◆ 国会議員へのPRに使ったビラ
   ◆ 衆議院厚生労働委員会に提出した調査依頼書

 新聞に載った会員の声

    会員 佐藤清志さん 4月21日 朝日新聞夕刊
   ◆ 会員 布川美佐子さんの投書(4月26日 朝日新聞声の欄から

 資料 3(反対団体の意見書)

   ◆ 日本弁護士連合会
   ◆ 生命倫理会議 
   ◆ 労働者住民医療機関連絡会議
   ◆ 日本宗教連盟

 資料 4(一般意見)

    中島みちさんの意見 5月10日朝日新聞より





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