トップ / 今年の上半期ニュース / 交通事故関連ニュース

ひき逃げ裁判:遺族らが集めた署名 検察が提出せずに結審
                            毎日新聞 2004年9月27日
 静岡市で02年12月に起きた交通死亡事故で、道交法違反(ひき逃げ)などの罪に
問われた元トラック運転手、後藤一人被告(25)=東京都江戸川区=の第5回公判が
27日、静岡地裁(竹花俊徳裁判長)で開かれ、懲役2年6月を求刑し、結審した。
 遺族の証人尋問などは行われたが、検察側が「裁判官に示すなどの方法で活用したい
」としていた遺族らが集めた約5万6000人分の署名の法廷への提出は見送られた。
 検察側は「提出する時間的余裕がなかった」としているが、遺族の要望は、再び裏切
られる形となった。

 この事故で、検察側は当初、被害者の望月誠人さん(当時33歳)が即死だったこと
から、「救護義務違反はない」として後藤被告を道交法違反(ひき逃げ)の罪で起訴す
るのを見送り、業務上過失致死罪などで起訴した。
 しかし、妻の瑞穂さん(39)らがひき逃げでの起訴を求める署名活動を続け、静岡
検察審査会が「不起訴不当」「起訴相当」の2度にわたる異例の議決を出し、後藤被告
は今年4月にひき逃げでも起訴(訴因変更)された。

 27日の公判で検察官は被告の謝罪の有無や、証人尋問で瑞穂さんに被告への思いな
どを聞くだけで、瑞穂さんが署名について切り出すまで一切触れようとしなかった。

 検察側は当初、「署名は本物かどうか確認が取れない」と証拠提出を拒否したが、今
年4月以降は「証拠提出は困難だが、裁判官に全国から集めた署名を示すなどの方法で
活用したい」などとしていた。

 同地検の中屋利洋次席検事は「検察側の論告求刑や弁護側の弁論があり、署名につい
て触れるのは時間的に困難だった。
 ひき逃げの訴因追加などで署名の趣旨は尊重したつもりだ」と話している。【古関俊
樹】

トップ / 今年の上半期ニュース / 交通事故関連ニュース