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「無呼吸」で事故、無罪 前方注視義務、過失を否定−大阪地裁
                            毎日新聞 2005年2月9日
 和歌山県古座町の国道で02年8月、乗用車を運転中に事故を起こし、3人に重軽傷
を負わせたとして業務上過失傷害罪に問われた大阪市の会社員男性(59)に対し、大
阪地裁は9日、無罪(求刑・禁固2年)を言い渡した。

 杉田宗久裁判長は「被告は睡眠時無呼吸症候群で、事故当時、予兆なく睡眠に陥って
おり、前方注視義務を果たすことができない状態だった」として過失を否定した。
 同症候群を巡る刑事裁判での無罪は極めて珍しいという。

 起訴状によると、男性は02年8月10日夕、乗用車を運転中に対向車線にはみ出し
て約74メートル走り、前から来た軽乗用車と正面衝突。男女計3人に重軽傷を負わせ
た、とされた。

 弁護側は事実関係は認めたが、「男性は睡眠時無呼吸症候群だったため、事故の記憶
がない」と主張。
 公判で医師の鑑定が行われ、「中等から重症の睡眠時無呼吸症候群」と診断された。

 判決は、男性の乗用車が対向車線を約4秒間走った点に注目し、「よそ見などではな
く、男性は突然、睡眠に陥り、意識を失った可能性が高い」と判断。
 「睡眠の予兆がないため居眠り運転とも言えず、過労状態でもなく乗用車の運転を避
ける義務もなかった」と指摘した。
 また、「男性は事故当時、睡眠時無呼吸症候群を疑って乗用車の運転を避ける義務も
なかった」と結論付けた。【堀川剛護】



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