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■民事裁判:男女格差は憲法違反 大阪地裁が異例の判断
                          毎日新聞6月11日 ( 2002-06-11-15:01 )

交通事故で女児を亡くした両親が加害者の男性に損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(坂本
倫城裁判官)が女児の逸失利益(事故に遭わなければ得られた将来の収入)を女性労働者の
平均賃金で算定するのは「法の下の平等」(憲法14条)に反するとして、全労働者の平均
賃金を用いて算定していたことが11日、分かった。
男女雇用機会均等法などを根拠に逸失利益に男女格差を設けない司法判断は増えつつあるが
、憲法判断にまで踏み込んだのは極めて異例。

判決によると、事故は昨年5月、大阪市内のスーパー駐車場で起きた。男性がブレーキとア
クセルを間違えて乗用車を急発進させ、祖母が押していたベビーカーに衝突、1歳だった女
児が死亡した。
遺族は約7900万円の損害賠償を請求。憲法の精神に基づき、全労働者平均で逸失利益を
算定するよう求めていた。
      
坂本裁判官は男女の労働能力について「個人差はあっても性別による差は存在しない」と判
示。そのうえで「性別を唯一の根拠として男女差を設けることは合理的理由のない差別で、
法の下の平等の趣旨にそぐわない」と述べた。
さらに、女性の職域が拡大している社会環境を踏まえ、「女児が就労するはずの約20年後
には、高齢化の進行で女性の労働力を今よりも必要とする社会が到来する。
男女間の差異はさらに小さくなっている」と、将来の見通しからも平等に扱うべきだと判断
。00年の全労働者平均賃金497万7700円を逸失利益算定の基準とし、加害者の男性
に計4530万円の支払いを命じた。
      
逸失利益は従来、男女格差があるのが一般的だったが、近年は男女雇用機会均等法や男女共
同参画社会基本法の施行などに伴い、格差を設けない判断が増えてきている。 【山本直】
      
交通裁判に詳しい大西英敏弁護士(東京弁護士会)の話 同種訴訟で「法の下の平等」にま
で言及した判決はほとんどなく、逸失利益を男女平等に算定する流れに拍車をかける判決だ
。「不合理な差別」という認識をより明確に示したいと考えたのではないか。

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