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「息子の交通事故死なぜ」判決確定後に両親“再提訴”
                            読売新聞 2003/11/18/14:52
 交通事故で長男を失った遺族が、事故の真相究明のために起こした民事訴訟で加害者
にうその証言をされるなどして精神的に「2次被害」を受けたとして、加害者を相手取
り、慰謝料など約80万円の支払いを求める裁判を横浜地裁に起こし、争っている。 

 2次被害の責任を求めて加害者を訴えるという異例の裁判。遺族側は、「事故 はな
ぜ起きたのか。真実が知りたい」と話している。 

 訴えを起こしているのは、横浜市の会社役員三苫(みとま)清隆さん(64)夫妻ら
3人。 

 慶応大3年だった長男の剛嗣(たけし)さん(当時21歳)は1995年9月15日
早朝、乗用車を運転して清隆さんを羽田空港に送って帰る途中、東京都大田区の首都高
速湾岸線で、千葉県市川市の左官業男性(57)のワゴン車に突っ込まれ、全身を強く
打って死亡した。 

 男性は、事故原因について、「時速80―90キロで走行していたが、大雨で見通し
が悪かった」などと供述。
 警察の捜査では、乗用車がスリップし、片側3車線の右車線で反転して停止したため
、剛嗣さんが車外に出て中央分離帯側に立っていたところに、ワゴン車が突っ込んだと
され、男性は「前方不注意だった」として業務上過失致死罪で50万円の罰金刑を受け
た。 

 これに対し、遺族側は、事故現場は直線で見通しが良く、雨も激しくなかったなどと
して、同じ車種のワゴン車を購入しての走行実験や目撃者からの聞き取りを重ねた。
 その結果、「ワゴン車は追突を避けられたはず。加害者の供述に基づいた捜査結果は
真相と違う」として、98年9月、男性らを相手取って損害賠償を求める裁判を起こし
た。 

 この裁判の1、2審判決では、見通しが悪かったという男性の主張は通らなかったも
のの、ほぼ捜査結果と同じ事故状況を認定して、男性と剛嗣さんの過失割合を「8対2
」とした。2001年4月、最高裁で確定している。 

 遺族側が2次被害を受けたとしているのは、民事訴訟を進める中で、男性がいったん
は遺族らの前で「ウトウト状態で運転していて、気づいた時にはぶつかっていた」など
とする謝罪文を書きながら、法廷では「だまされ、無理やり書かされた」と証言、内容
を撤回するなどしたこと。
 さらに判決確定後、ワゴン車助手席に同乗していた元同僚から「先行する2台の車を
猛スピードで無理に追い越そうとして失敗し、突っ込んだ」との証言を得ており、遺族
側は「これが真相なら、男性は故意に虚偽の事実を述べて侮辱、愚ろうしたことになる
。
 真実追究にかけた努力や事故から立ち直ろうとする思いを踏みにじられた」と訴えて
いる。 

 また、男性は免許停止期間中に遺族らの前で無免許運転して逮捕されており、遺族側
はこの点でも精神的苦痛を受けたとしている。 

 男性側は「すでに確定したもとの裁判の蒸し返しだ。同様の訴訟が続々と起こされる
としたら問題ではないか」として棄却を求めている。裁判は来年初めにも結審の見通し
。 

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