川崎市中原区の県道で先月、市内の母子が大型トラックにはねられて死傷した事故で、トラ
ックのフロントガラスに取り付けた装飾板が、運転手の死角を広げていたことが9日、神奈
川県警の調べでわかった。
県警は、広がった死角で運転手が母子に気づかなかったり、気づくのが遅れたりした可能性
があるとみて調べている。
事故が起きたのは11月26日。同区の主婦(36)とベビーカーに乗った三男(当時10
カ月)が8トントラックにはねられ、男児は死亡。主婦も右足骨折などの重傷を負った。
トラックは前方の車が止まったため、信号のない横断歩道上にいったん停止。その前を母子
が左側から横断し始めたときに、発車した。
業務上過失致傷容疑で逮捕された男性運転手(45)は、県警の調べに「前は確認したが、
母子にはひいた後に気がついた」と述べている。
運転手はトラックのフロントガラスの内側に、銀色のステンレス製の装飾板をつけていた。
高さ約30センチ、横約2メートルある。
県警が実況見分したところ、装飾板を外した場合は運転席(高さ2.4メートル)から3.
3メートル先の地面が見えたのに対し、装飾板を取り付けた場合は5.3メートル先でない
と地面が見えなかった。
主婦と同じ身長163センチの歩行者なら、装飾板を外した場合は約0.9メートル先にい
ても頭が見えるのに対し、取り付けた場合は約2.7メートル先でないと上半身が確認でき
ないことが判明した。
国土交通省によると、道路運送車両法に基づく省令は、このトラックなどの大型車の場合、
運転席から前方2メートル先の地面が、横は3メートル先の地面が見えるよう視界を確保す
るよう義務づけている。
この事故を受けて、県警は、「装飾板の取り付け自粛」を県トラック協会に申し入れた。  |