山口県で02年、三菱自動車製大型車のクラッチ系統の欠陥が原因で運転手が死亡したとさ
れる事故で、同社の河添克彦元社長(67)ら元幹部6人を業務上過失致死容疑で逮捕する
方針を固めている神奈川、山口両県警は、10日午後にも強制捜査に着手する。
元社長らが、欠陥が重大事故につながる可能性を認識していたにもかかわらず、00年に発
覚した「クレーム隠し事件」後も、リコール(無償回収・修理)せず、死亡事故につながっ
たと判断した模様だ。
対象は河添元社長のほか、同社の商用車部門を引き継いだ三菱ふそうトラック・バス前会長
の宇佐美隆被告(63)=道路運送車両法違反の罪で起訴=ら三菱自の元副社長2人と元品
質・技術本部長ら計6人。
調べでは、三菱自はクラッチを格納するクラッチハウジングが破損する事故が相次いだのを
受け、96年5月に対策会議を開催。
クラッチハウジングが強度不足で壊れ、影響でブレーキなどが破損、深刻な事故につながる
可能性があったが、河添元社長らは経費がかかるリコールを避け、定期点検時などに勝手に
修理する「ヤミ改修」を実施することを決定した。
00年には、違法なヤミ改修の発覚を恐れてこれも中止。同年7月に内部告発で発覚した「
クレーム隠し事件」の際にも、クラッチ系統の欠陥を隠蔽(いんぺい)し続けたという。
その後、02年10月に山口県熊毛町(現・周南市)で、鹿児島県内の男性(当時39)の
運転する冷蔵車のクラッチハウジングが破損。
ブレーキ配管が壊れ、ブレーキが利かないまま建物に激突して男性が死亡した。
両県警は、同社が96年に欠陥を認識し、少なくとも00年のクレーム隠しの発覚の時点で
リコールなど適切な対応をしていれば、死亡事故は防げたと判断。
河添元社長らが事態を放置したことが死亡事故につながったとみている。
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